欠損金の繰戻し還付
トヨタ自動車の営業利益7割減など、急速な景気後退に見舞われている日本経済です。
ところで政府与党は、追加経済対策を発表しました。
バラマキ給付金は論外として、中小零細企業支援として「中小企業向け信用保証枠の拡大」「中小企業への軽減税率の時限的引き下げ」「欠損金の繰戻し還付の復活」があげられています。
ここでは、欠損金の繰戻し還付について、Q&A方式で御説明します。
Q 1
- 会社が赤字を出した場合、前年に納付した税金が戻ることがあると聞きましたが、本当ですか?
A 1
- それは"欠損金の繰戻し還付"という制度のことです。
どのような内容か簡単に説明していきます。(1年決算法人を前提としています。)
- その欠損金を繰越して、それ以後の黒字と相殺していく方法
(欠損金は7年間繰越せます)
- その欠損金が出た前の年度で納付した法人税があった場合には、その法人税の全部又は一部を還付請求する方法(前1年以内の法人税に限ります)
(法人税法80条)
【原則】
まず、赤字(欠損金額)が出た場合、次の2つのうちどちらかを選択できます。
この②が、"欠損金の繰戻し還付"となります。
【執行停止】
"欠損金の繰戻制度"は、H4.4.1~H22.3.31までの間に終了する事業年度で生じた欠損金については、いくつかの例外を除いて適用ができません。
(租税特別措置法66条の13)
Q 2
- いくつかの例外があるということですが、具体的に教えて下さい。
- 次の場合には、原則どおり、繰戻し還付の適用があります。
①新設法人(中小企業に限ります)の2~6期
②解散
③更生手続開始の決定 等
Q 3
- 中小企業の新設法人は適用があるようですが、それ以外に何か条件はありますか?
- 適用を受けるためには、次の3つの条件を全て満たしている必要があります。
- 還付を受けようと思う事業年度の青色確定申告書を提出していること
- 欠損が出た事業年度の青色確定申告を期限内に提出していること
- 2の申告書と同時に「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を提出していること
- 前年分の法人税額のうち、どのぐらいが戻るのですか?
- 次の算式で計算した金額を「還付請求書」に記載します。
[前年度の法人税額]×([欠損金の出た事業年度の欠損金額]÷[前年度の所得金額])
- 他に何か気をつけることはありますか?
- 還付請求をした場合は、必ず税務調査が行われます。この調査により修正申告書を提出することもありますので慎重に判断して、欠損金の繰越控除か、欠損金の繰戻しによる還付かを選択してください。
税務調査はともかく、急速な景気悪化は資金繰りのショートを招きますので、税金の繰戻し還付を原則に戻すのは当然だと考えます。早急な実行を望むところです。
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